こんにちは、Nature でデータ分析を行っている原 Atsushi Hara (@toohsk) | Twitter です。 Nature では、日頃よりサービスがどのように使われているかを全社に共有するWeekly Performance Review という取り組みをしています。Weekly Performance Review は長いので、今回はWPR とします。 今回はこのWPR について紹介します。
Weekly Performance Review とは
上述した通り、WPR では全社に向けて、サービスがどのように使われているかをレポーティングする取り組みになります。 また、サービスの利用状況だけでなく、マーケティングの状況や来るキャンペーンの共有、顧客の声なども含めて共有されます。イメージとしては、サービスの健康診断結果をみんなで共有し、議論する。といったところでしょうか。 Nature には様々のサービスがあり、それらがミッションやバリューにどう反映されているのかを客観的に見る機会になっています。
この取り組みを毎週行っています。
共有する内容
Nature Remo の使われ方を中心にモニタリングしている結果を共有しています。 モニタリングしている観点は以下のようなものがあります。
- アクティブユーザ数はどの程度なのか
- 家電操作はどのクライアントから・どのような方法で実行されたのか
- どの家電が操作されているのか
これらの軸でログを可視化し、共有しています。今回は、家電の操作割合のグラフを紹介してみようと思います。
上のグラフは2021年12月1日~2022年6月9日までの半年間における操作割合です。 IR はプリセットが用意できていないリモコンを指します。
このグラフでの特徴はいくつかありますが、ぱっと見た感じ気になるところでは、1月2日と5月3~5日の落ち込みではないでしょうか? 今年は、昨年と異なり緊急事態宣言などもなく、特にゴールデンウィークは久しぶりの制限のない長期休みだったため、新幹線や飛行機が混雑したというニュースが記憶に新しいかと思います。 このような背景を考えると外出していたユーザが多く、家電を操作する機会が減少していたと考えられます。
次に一年間で見てみましょう。
青い折れ線として表示されているのは、エアコンの操作になります。 他の家電と比較すると、夏と冬に操作割合が上昇し、春と秋に減少する傾向にあることがわかります。自明ではありますが、改めてシーズナリティが強い家電だと知ることがわかります。
アドホックな共有
上記以外にも思いついた内容を共有することがあります。 直近であればエアコンが冷房として操作された操作回数を集計しており、どのタイミングでエアコン操作が増えているかを知ろうとしています。 もちろん、上で紹介した家電の操作割合の傾向と一致するのですが、冷房だけでなく自動や送風、除湿などそれぞれのモードの回数を把握することでサービス利用の解像度が上がるので共有することが重要だと思い、共有しています。
今後やっていきたいこと
データの民主化
データの民主化の重要性が叫ばれて久しいですが、Nature でも推進したいと考えています。 Remo がどのように活用され、今後どのような使われ方ができるのか? ここに様々な仮説を立てるときに、個人情報などをフィルタリングした上で幅広いメンバーがデータにアクセスできることは重要だと思います。
現在はBI Tool としてGoogle Data Portal で結果を可視化しています。この部分をTableau を使っていきたいと思っています。 一つの理由として、分析結果を見ると様々な疑問点や仮説が生じてきます。 これらの気になるポイントを即座に深堀りでき、共有できる点はTableau のほうが普段からデータに触らないメンバーにとっては行いやすいと思います。この触りやすい環境のもと、データの民主化が推進されると良いと感じています。
分析の深堀り
分析の深堀りは目的やゴールがあやふやになると際限がないものになりがちですが、サービス利用の状況を理解する上では重要です。 例えば、上記で紹介した家電の操作割合を例にあげると、現在は日単位で集計しています。 この集計単位を、午前午後、あるいは、6時間毎に集計してみることで、新しい知見が得られるかもしれません。 このような深堀りを行うと今見えていない課題が浮き彫りになると思います。このような取り組みは一人や少人数でやるのには限界がありますが、データの民主化を通じてデータに触れる人数が増えることでスケールするものだとも思います。
終わりに
本日は、Nature で取り組んでいるWeekly Performance Review という取り組みを紹介しました。 データの民主化が進み、仮説を発表する人が増えることを夢見ながら、WPR の取り組みを引き続き頑張りたいと思いました。 Nature では、サービスの使われ方やサービスをグロースさせたいデータサイエンティスト、データの民主化を支えるデータエンジニアを募集しています。
サービスの利用状況の分析について議論したい!という方もカジュアル面談でお話しましょう!