ファームウェアエンジニアの中林 (id:tomo-wait-for-it-yuki) です。 先日、Nature Remo nano の発売を記念して Matter を盛り上げていこうのイベント、Nature Matter Kaigi を開催しました! ユカイ工学株式会社様からゲストもお招きし、大盛況でした。 本エントリではその内容をご紹介します。
発表セッション
発表セッションでは3件の発表と1件の LT がありました。
発表1: Matter を Remo nano ではじめよう
1件目は Nature 田井さんから Matter の概要紹介です。 Matter の spec 見始めるとたくさん専門用語があり、理解が進みにくいのですが、重要なところをピックアップして解説してくれています (特にコミッショニング周り) 。 Matter 対応をし始めたときに自分たちが欲しかった内容となっています。
発表2: Remo nano で実装された Matter の Cluster ご紹介
2件目は Nature 桒山 (くわやま) さんから Remo nano に搭載されている Cluster の紹介です。 エアコンを Thermostat Cluster として操作しているのですが、日本のエアコンとは少し違う概念もあり、少し突っ込んだ解説もありました。
発表3: CES2023 Matter対応ロボット開発の裏側
3件目はユカイ工学の青木さま、宮﨑さま、石本さまから CES2023 Matter 対応ロボットの裏話です。 なぜ Matter に取り組んでいるか、という話から、デモの具体的なシステム構成や苦労話をお話いただきました。 Matter の苦労話を聞ける機会はあまりないため、貴重な発表でした。 今後も一緒に Matter を盛り上げていきましょう!
発表内では魔改造ハムハムが大人気でした!
LT: Matter開発環境をざっくり眺める
予想より多くの方より参加申し込みがあったため、急遽、井田さんの LT を追加することにし、Matter の開発環境について話してもらいました。 安定の本家 connectedhomeip だけでなく、Rust 実装や TypeScript のような実験的な実装の紹介がありました。 Nature としては Rust 実装に期待したいところですね!
トークセッション
トークセッションでは事前に参加者の方からいただいていた質問に対して、登壇者のみなさまより回答をしてもらいました。 いくつかピックアップして紹介します。
Q: Matter デバイスは自作もできる?
A: できます!追加のハードウェアがなくても、BLE や WiFi の搭載されたデバイスであれば動かすことができるので、ガンガン自作していきましょう。コントローラーによっては認証取得していないデバイスはコミッショニングできないので Matterのデバイス認証 を参考にしてください。
Q: 参考にしたドキュメントは?
A: Google が公開している Matter の資料がわかりやすくてオススメです。
Q: 認証試験はどのようなもの?
A: ラズパイにテストツールを構築して、半自動で試験するので、試験の進みが早くはなく長丁場でした。
Q: Matter に独自機能は追加できる?
A: 規格上 Custom Cluster を定義できるようになっており、独自のコマンドを追加することができます。お試しに Remo nano に IR Blaster Cluster を作って遊んでみたりしています。
Q: 今後 Matter に期待すること
A (Nature 田井さん): Matter が盛り上がってスマートホームの世界がシンプルになってほしい!matter-rs やっていきたい。
A (Nature 桒山さん): Matter が普及してくれれば開発もしやすくなるのでうれしい。matter-rs 進めていきたい。おもしろい。
A (Nature 井田さん): matter-rs でサクッと遊べるようになってほしい。
A (ユカイ工学 石本さま): 国内で広がって、ロボット Device Type やロボット Cluster が出てきてほしい。
A (ユカイ工学 宮﨑さま): 使う人のハードルがもう少し下がると良い。ゆるい見守りができないか。
A (ユカイ工学 青木さま): ロボットと連携できる色んなデバイスが増えるとよい。リアルイベントも一緒にやっていきたい。
今後も Matter から目が離せませんね! 今後、リアルイベントもできると良いなー、と考えていますので、みなさまからの期待の声もお待ちしております!
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